3月6日に撮った、東日本大震災前、ラストのフィルム写真。
3月11日、１４時４６分、僕は用事があって、クルマを盛岡中心部の方向に走らせていた。
突然、胸ポケットに入れていたケータイが「ギューィ！ギューィ！」と大きな音を立て、
その直後、まっすぐ走っているはずの僕のクルマが横揺れを起こしはじめた。
まわりを走っている他のクルマがどんどん道路の左側に停まりだしたので、これは地震だと気づき、僕もクルマを寄せた。
ずいぶんと長いこと揺れていた。
クルマの外に出てみた人がバランスを失いかけているのを見て、クルマからは出ないことにした。
交通標識が団扇のように揺れていて、あれが落ちてきたら危ないなぁ…と、ボンヤリと考えていたのを覚えている。
揺れがおさまり、他のクルマが走り出したのを見て、またクルマを走らせた。
信号機がすべて停止している、交差点は静かに混乱していて なかなか抜けられない。
ただ事ではない、ラジオをオンにしてNHKに耳を傾けた。
太平洋沿岸の方が震源地らしい、「かなり大きな」、「近づかないで下さい」、「離れて下さい」、、、、
行き先を変更し、急いで自宅へ向かった。
大勢の、信じられないくらい大勢の人々の命が、信じられないくらい短い時間に失われた。
津波の大災害に遭った東北沿岸の市町村の今の姿は まるで原爆を投下された街の跡のようにも見える。
亡くなった方々の想いや、生き残ったが多くを失った方々の想いが大きな渦を巻いて悲鳴を上げている、
１００キロ離れていても大震災から1ヶ月経っても、そんなイメージが頭から離れない。
いろいろな意味で日本はいまが正念場なのだと確信している。
一人ひとりが自分の立場、周囲の状況を正しく理解し、
日本の未来を見据えながら、それぞれが今までにない強い信念を持って、
自分の考え・行動を長期にわたって丹念に積み重ねて行かねばならないのだと強く思う。
亡くなられたあまりにも多くの方々のためにも。